実践リスク・マネジメント

リスク・マネジメントは2009年11月、国際標準(ISO31000)となりました。

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武井 勲の一言

B「原子力廃止シナリオ」か、それともA「原子力拡大シナリオ」か、あなたは?

(2011年5月10日公開)

4月11日、報道によれば、中部電力は浜岡原発の創業を停止することを決定した。「さすが管総理大臣!大英断!」、「またもやったり“説明責任なし打ち上げ花火?”」と賛否両論あろう。しかし、国民全員に意思決定を迫る大きな決断は、待ったなし、八百長なしに差し迫っている。

あなたは、「A原子力発電の拡大に賛成か?」それとも、「B原子力発電の廃止に賛成か?」

 

1.全電力の3 割を52 基の原子力発電所がまかなっている

1995 年12 月のもんじゅナトリウム漏洩事故、1999 年9 月のJCO 事故、2004年8月の美浜発電所事故、またその他の幾つかの不祥事で、原子力利用に対して、不安・恐れ・心配(リスク認識)が膨らんできていた。そこへ、東電福島原発放射能放出事故(2011.3.11)。

国民だけでなく、世界が、事故時の原子力施設からの放射能漏れや放射性廃棄物処分の問題など、原子力リスク・マネジメントと危機管理に対し、わがことと注視している。不安(問題)の核心はどこか?純技術的なものか?それとも、それに取り組む関係者の倫理面、管理面-リスク・マネジメントと危機管理にあるのか?

言い換えれば、原子力関係者-政府、原子力安全委員会、原子力保安院、電力会社が、本当のクライシス・コミュニケーションとリスク・コミュニケーションに自らの襟を正す努力と工夫をすれば、払拭することのできるものなのか?あなたの判断は?

 

2.「A あなたは、原子力発電の拡大に賛成か?」

原子力技術者の積極的な対応と国民の理解と協力のもとで、原発のリスクと危機は解決できるものであるという考えかたがAシナリオだ。「原子力は、人類が求めている安心と豊かさのあるクォリティ・オブ・ライフにどのような役割を持つか?」「地球の持続的発展のために環境問題に対して、どのような役割を持つか?」。

①わが国の2050 年に至るエネルギー供給における原子力の役割をクォリティ・オブ・ライフおよび地球環境問題(CO2 の削減)の視点から、国内総生産(GDP)、人口、産業構造、エネルギー利用形態、CO2 排出量、エネルギー資源の利用可能量、輸入燃料価格、利用可能なエネルギー技術など多面的にみて、原子力発電の拡大には意義がある。

②地球環境問題対応から2050 年にはCO2 の排出量を1990 年値の60%水準まで低減する。

③原子力の利用については、エネルギーセキュリティと地球環境問題の視点からは、導入量が多いほど適切な解となる。

④前提条件として、原子力の導入については、国民が不安を抱いている放射能漏れや放射性廃棄物処分の問題などを納得のいくように(リスク・マネジメントと危機管理で)解決して、合意を得ることが大切である。

⑤A「原子力拡大シナリオ」は、実現が可能と考え得る原子力発電規模を現在の約2倍(9,000 万kWe)まで拡大するというものである。

 

3.「B あなたは、原子力発電の拡大に反対か?」

「B 原子力廃止シナリオ」は、原子力発電を段階的に廃止していき2050 年には原子力利用をゼロとするというものだ。

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