実践リスク・マネジメント

リスク・マネジメントは2009年11月、国際標準(ISO31000)となりました。

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武井 勲の一言

新内閣は、政官のガバナンスとリスク・マネジメントを制度化せよ

(2017年8月 3日公開)

「日本の政府は、民意を代表していますか?」「現在、世界で一番危険な脅威、すなわち最も脆弱な地帯はどこですか?」

 1974年ミネソタ大学で講演されたジョージ・ケナン博士から質問された私は、戸惑った。米ソ冷戦時代対ソ外交の第一人者、『アメリカ外交50年』(岩波書店1952年:近藤晋一・飯田藤次訳)の著者は、38度線(北朝鮮と韓国の臨時的境界線)と印パ国境の二つが当時世界で最もホットな地点で、日本は地政学的リスクと危機に曝されていることを示唆された。第一次オイルショックの年であった。それから43年後の今日でも、この2か所はあまり変わっていないし、日本の地政学的リスクは、それ以上に増え、また大きくなっているのではないか。国民のリスクへの不安、危機感は高い。

 ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終焉し、民間企業のガバナンス、リスク・マネジメント、コンプライアンスは、飛躍的に進化してきた。COSOの内部統制/ERMフレームワークや『リスク・マネジメントの原則及び指針(ISO31000;2009年)』などさまざまな基準も普及・浸透しつつある。

 一方、政府機関や地方公共団体のリスク・マネジメントと危機管理は、かなり改善の余地がある。国民は、政官に対し「政策目標の達成に対する合理的な保証をもっと強く求めたいのである。

 本日、安倍第3次改造内閣が発足する。前国会は、森友学園問題や学校法人「加計学園」問題(文科省)、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題(防衛省)等で混乱し、大揺れに揺れた。国民の多くは辟易している。平和、生活の安定、格差是正、いじめ撲滅を希求している。政治と行政に、「倫理、ガバナンス、リスク・マネジメント、不正ゼロ」を求めたい。

 あの時ケナン博士は私に、「『イワシの頭も信心から』という諺は、貴国のものか?」とも聞かれた。日本国民は「政府・行政」に対する信心をまだ失っていないと信じたい。

 そこで、新内閣に、リスク・マネジメントの第一原則である「価値創造と保全(ISO31000)を、政治・行政に打ち立てるリーダーシップと関係閣僚のイニシャティブを期待する。(平成29〈2017)年8月3日)

2017年8月

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